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Posted by さがファンブログ事務局 at

2009年05月09日

無念・・・

先日、陶器市が終わったばかりで静けさが戻った有田で、
夜中に火事がありました。
テレビや新聞での報道で、ご存知の方も多いと思いますが・・・

私も当時、現場の最前線で消化活動のお手伝いをさせて頂きましたが、
その火事で、45才とまだまだ若い、ある陶芸家の尊い命が失われました。

逃げ遅れた長女を助けようと、再び家に飛び込んでの惨事でした。
奥さんや2人の子供は、2階の窓から逃げ、無事だったことが何よりでしたが・・・

彼は私たち夫婦にとっても、有田窯業大学で一緒に修行した同期・・・
同じく同期の奥さんと2人の子供・・・、私の家族構成とよく似ていて、
子供の学校行事や、プライベイトでも家族で話したり、
陶芸の道でも、志を同じに持ち、共に励まし、応援しあう仲間でした・・・

最近でこそ、忙しくなかなか会えない間柄になっていましたが、
数年前、長年修行していた勤務先から独立、黒髪山のふもとに念願の窯を開き、
「お客さんに蕎麦を振舞うんだ!」と、蕎麦打ちの修行をするなど、
明るい未来のビジョンが開け、これから、という矢先の出来事で・・・

テレビのニュースを見ても、新聞で活字を見ても、
現実を受け止めることが、まだ出来ず、
ご冥福を・・・という言葉では、片付けられない程、
まだ頭の中で整理できないまま、私もただただ、呆然としております・・・

この事をブログ記事に書くか、書かないか、ずいぶん悩みましたが、
彼のような、将来有望なプロの陶芸家が、頑張っていたことを
多くの方に知ってもらいたくて、記事にしました。

うわべだけの、自称陶芸家と名乗る者が多い昨今、
彼のように、長年かけて基本と伝統技術をきっちり習得し、
プロの技とプロの感性が身に付いた上で、初めて生まれるその人の個性、
芯を曲げずに、自分のスタイルと向上心で、陶芸道を極めるべく突き進む、
彼のような「本物の陶芸家」の心とプライドを、私も持ち続けたいと思います。

どうか皆さんも、プロとは何か?
そんな「本物の陶芸家」を見極める目を養ってほしい、
本当のプロを応援してほしいと、心から願っています。

しばらくして、落ち着いたら、追悼の意味を込めて、
彼の素晴らしい人生を、少し紹介したいと思います。  

Posted by 聡窯 辻 at 13:09Comments(4)ひとりごと